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0-1.やりたいことをやり続けるのに、才能なんていらない

「よくこんな状態で、6万キロ以上の距離を無事に運ばれてきたなぁ」


そう思えるような、ボロボロになった段ボールが目の前に積み重ねられていました。なかを開けたら名前も知らない見たこともない大きなサイズの虫が出てくるし、商品が入った袋はザラザラで砂まみれ。段ボールを開けたら開けたで、目はかゆくなるし、くしゃみは止まらないしで、マスクをしての検品作業......。
それが、「インドの小さな村の伝統工芸技術を使ったオンリーワンのアクセサリーブランドをつくりたい」というわたしの思いではじまった仕事の最初の納品でした。
お世辞にも商品の質がいいとはいえず、とてもじゃないけど売り物にはならない。 もちろん、すべて一からやり直しです。


それからの約2年間、生産拠点のインドからは同じような商品が送られてくるばか りでした。それでも、インドの現地スタッフに賃金を払い続けなければなりません。 日本の製品技術や実際に販売されるところを見てもらいたい一心で、わたしの会社が ある大阪まで現地スタッフを呼び寄せたこともあったほどです。 「一進一退」どころか、後退するだけのような毎日。そんな状況を見兼ねた周囲の仕 事関係者からは、「もうやめたら?」「これまで調子がよかったのに、なんでわざわざ苦労することをやっているの?」といわれることも。わたしを信じてついてきてくれた日本のスタッフに対しても、申し訳ない気持ちになったことをよく覚えています。
なぜそれでも続けたのか― 。理由はとてもシンプルです。 心から「やりたい」と思ったから。


インドの精巧な工芸技術と日本の「いま」を切り取るデザインを組み合わせることができたら、大阪の名もなき小さなアクセサリーメーカーだって、この世に出ていないまったく新しいアクセサリーをつくることができる。
そんなことを想像するたびにわくわくが止まらず、「絶対にやりたい」と思ったのです。


それから試行錯誤を繰り返し、なんとかパリの展示会に3回出展できるまでに商品 のクオリティーを上げることができ、デザイン、価格、ブランドストーリーなど、あらゆる面でほかにはないアクセサリーブランド「MAYGLOBE by Tribaluxe」(メイグローブ バイ トライバラクス)を展開することができました。
おかげさまで、インドの貧しい村に雇用を生んでいることなどが注目され、エシカルファッション(倫理的で、人、社会、環境、そして地球に優しいファッション)のブランド として認知が広がっていき、このように書籍を出版する運びとなったわけです。


そんな取り組みに興味を示してくれる人に対して、わたしのこれまでのことを話す機会がたびたびあるのですが、なぜか決まってこういわれます。
「立花さんってすごいですね!」
「社会貢献活動をして偉いですね」
でも、これらの声に対しては、全力で否定したいわたしがいます。


純粋な気持ちで、「やりたいことを全部やる」と心に決めた。
それをよりどころにして、ときに傷つき、ときにボロボロになりながら、一歩一 歩、前に進んできただけ。


わたしは、まったくもってすごい人間ではありません。もし仮にわたしがすごい人間であるなら、あなたも、あなたのまわりのみんなも、同じようにすごい人間だと思います。